HOME > トレーニング用語集 > ドーピング間題【Problem of Doping】
2011年08月23日
スポーツはもともと人間の持ち合わせているボディ・パワーを競い合う文化として進展してきたものです。
その結果として、優勝劣敗主義が正当性を得ることになります。
そのためには、いかにして選手たちに平等の条件を保証するかが間われ、近代スポーツのルールはその点に腐心してきました。
そして、そのルールの範囲内で、競争原理を最大限に活用する文化として近代スポーツは大きな役割を果たしてきております。
しかし、後近代社会に入ると「過剰な」競争原理が働きはじめ、もはやトレーニングで獲得したボディ・パワーだけでは闘えない情況が生まれ、ついに薬物(自己にあらざる他者)の力を借りるという事態が生じてきました。
臓器移植の時代にあって、自己の身体の他者化は自然な流れであるにもかかわらず、スポーツの世界にあっては、それを禁止しなければならない、という自己矛盾に陥ってもいるのです。
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藤原豊樹
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