トレーニング用語集 - 王道パーソナルトレーナー藤原豊樹

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運動における柔軟性とは【flexibility】

2011年08月23日 [記事URL]

柔軟性とは、与えられた運動課題に対し、適切な関節可動範囲で効率よく運動を行うことのできる能力を意味しています。

一般的には、体の柔らかさを表すことが多い言葉として用いられています。

したがって柔軟性の欠如は、傷害の発生や疲労の蓄積といった身体運動に関わる問題を引き起こしやすくなります。

柔軟性に関わる今日までの研究では、その能力を制限する因子の発見と可動域を高める効果的な方法のあり方に焦点が当てられてきています。

研究報告では、ウォーミングアップ等による体温の上昇が、関節周りの組織の受動的な柔軟性を向上させ、関節可動域を増加させること。
また麻酔が関節可動域を向上させること、神経入力がない場合、筋腱複合体の伸張に対する抵抗力が低下することなどが示されています。

これらから柔軟性制限の主要な部分が体温の上昇や筋をリラックスさせることができるかどうかにかかっていることを示しています。

そのため柔軟性のトレーニングでは、体温を適切に上昇させ、リラックスした中で筋や腱、靭帯、関節包、皮膚等の組織を適切に伸張させるストレッチングが主要な内容として取り上げられてきています。

しかし、数週間にわたる柔軟性トレーニングでは、筋とその関連組織の受動的なスティフネス(stiffness)を一時的に低下させられても、その効果はトレーニング終了後に消失してしまいます。

一方、長期にわたるストレッチング運動を行っているヨガ修行者等の場合は、明らかにその柔軟性が向上します。

このことは関節間あるいは個人間に見られる柔軟性の違いが、長期間にわたる適応の産物であり、柔軟性の向上には長期にわたるトレーニングが不可欠であることを示しています。

このような問題はトレーニングプログラムを考案する時にも関係します。

例えば、最大筋力増加のため、筋量のみを増加させようとすれば、その柔軟性のレベルは低下してしまいます。

これは過度の筋肥大による腱への力の伝達効率の低下と同様に、筋腱複合体が伸張された時、その伸張方向への筋の伸張が低下するためと考えられています。

したがって柔軟性の維持・向上を目的とした柔軟性のトレーニングにおいては、他のトレーニング要素と並行して行うべきでしょう。

日常動作を円滑に行うためには、力強さに加えて全身の柔らかさが備わっていることも必要です。

特に、大腿後部の筋肉や腓腹筋(下腿後部の筋肉)、腰背部、肩関節が硬いと、日常生活のさまざまな局面において円滑な動作に支障をきたしてしまいます。

高齢者にとって、股関節や膝における関節可動域の低下は、転倒の危険性を増大してしまうために注意が必要です。

柔軟性の測定項目として、長座体前屈(ハムストリングス・腰・背中・肩関節の柔軟性)や肩関節可動域(肩関節の柔軟性体力)などがあげられます。

高齢者が自立した生活を営むための推奨下限値は、男女とも長座位体前屈がマイナス5㎝(足の指先近くまで手が届く)、肩関節可動域では5㎝以上と考えられています。



巧緻性体力【manipulation】

2011年08月23日 [記事URL]

 巧緻性体力とは、手や足、それに指先の器用さを含む身体活動能力であり、人間の日常生活において、最も基本である衣食住を円滑に行うために必要な要素です。

洗面、排泄、食事、入浴、衣服の着脱などは、日常生活の中で欠かせない身体活動の一部です。

食事の際には箸やスプーンなどを使用したり、衣服の着脱時にはファスナーの開閉やボタンの留めを外したりと、手の指先の巧みな動きは常に含まれています。

巧緻性体力の測定項目として、箸を使用して任意の皿へ豆を移動させる「豆運び」や、ペグと言われる小さな棒を左右の手で移し変える作業を繰り返す「ペグ移動」などがあげられる。

また、全身の巧みさを評価する項目として、文部科学省の新体カテストで使用されている10メートル障害物歩行も含まれます。



筋力とは【muscle strength】

2011年08月23日 [記事URL]

筋力とは、骨格筋の内部で筋線維が収縮した結果、張力が発揮され、個々の筋線維張力が合計されて腱を牽引する腱張力となり、これが骨に伝えられて関節の回転力(トルク)となります。

つまり筋力とは、これら筋線維張力、腱張力、関節トルクの総称です。

筋線維、腱、関節の間には種々の筋形状因子が関与し、筋線維張力はさまざまに修飾された結果、関節に伝えられています。

したがって、筋力が何を指しているのかを明確にした上でこの言葉を用いる必要があります。

物をしっかり掴む、固く閉じているフタを開けるなどの動作には上肢(手掌)の筋力が必要であり、歩く、椅子から立ち上がるなどの身体の移動には下肢の筋力が重要となります。

筋力は身体の力強さや姿勢保持などに関連し、特に高齢者における筋力の低下は、日常生活の諸動作に支障をきたしてしまいます。

筋力の測定項目として、握力(前腕静的筋力)や膝関節伸展筋力(下肢静的筋力)などがあげられます。

高齢者が自立した生活を営むための推奨下限値は、握力で男性20kg、女性15kg、膝関節伸展筋力では男性30kg、女性20kg以上が必要だと考えられています。

筋力を維持するためには、階段昇り、自重を負荷にしたスクワット(膝の曲げ伸ばし・空気イスすわり)や膝立て姿勢での腕立て伏臥腕屈伸、斜め懸垂などが有効です。



高齢者の筋持久力【muscle endurance】

2011年08月23日 [記事URL]

 筋持久力とは、筋がどのくらい長く作業を続けることができるかという能力であり、動的および静的筋持久力の2種類に分けられています。

動的筋持久力は一定の負荷を繰り返し持ち上げる、押す、引っ張るなどの動きが伴い、静的筋持久力は筋肉や関節の動きを固定した上でのある動作の持続時間です。

高齢者にとっても買い物袋の持ち運びや、起立中の身体支持などの能力は、日常生活と関わりが深いです。

動的筋持久力の測定項目として、上体起こし(腹部筋持久力)や連続腕屈伸(上腕筋持久力)などが、静的筋持久力の測定項目としては膝関節屈曲筋持久力(下肢静的筋持久力)などがあげられます。

高齢者が自立した生活を営むための筋持久力の推奨下限値は、
上体起こしが男性5回・女性3回、
連続上腕屈伸は男性15回・女性12回、
膝関節屈曲では男性10秒・女性8秒以上は必要だと考えられています。



高齢者の体力【physical fitness for elderly people】

2011年08月23日 [記事URL]

体力は、ヒトの身体活動や生命活動の基礎となる身体的能力です。
特に高齢者にとっての体力は、健康長寿を全うするために重要であると言えるでしょう。

筋力や柔軟性、持久性体力などの体力要素は、歩行や階段昇降、衣服の着脱など日常生活に関わる諸動作を支えています。

体力は大きく「健康関連体力」と「技能関連体力」の2つに分類することができます。

前者は、種々の慢性疾患や健康障害に関連する体力であり、全身持久性、筋力、柔軟性、身体組成といった要素が含まれます。
後者は、平衡性、協調性、スピード、パワー、反応力といった技能から構成されます。

中年者では「健康関連体力」の改善がより強く望まれますが、高齢者では、日常生活動作の円滑な遂行のために協調性を含む「技能関連体力」の維持・向上にも取り組む必要があるとされます。

加齢とともに低下するのが体力ですが、体力要素別に概観すると低下度に違いがみられます。

20歳の日本人男性を100とした場合、静的平衡性(閉眼片足立ち)は60歳で30%以下、脚筋力は50%以下となります。

腕立て伏せ、立位体前屈、垂直跳びの能力、および最大酸素摂取量も60歳で約50%まで低減します。

高齢者の体力の特徴として、個人差も大きいことがあげられます。
その理由としては、高齢期には加齢現象や生活習慣の違いによる個人差が拡大するからです。

近年、高齢者の体力改善について着目されるようになりましたが、個人差の大きい高齢者の体力を把握し評価することは困難です。

その理由として、他の年代に比べ精神的・社会的側面から影響を受けやすい高齢者は、その日の体調によって測定値が大きく左右されるためです。

しかし、体力を測定し評価することは、高齢者がこれまでの生活習慣を見直すために重要です。

日常生活動作に関連の大きい体力測定項目を選定し、日常生活に必要な体力に加えて積極的な余暇活動を楽しめる体力を把握し、適正に評価することが望まれています。



高齢者の栄養【nutrition for elderly people】

2011年08月23日 [記事URL]

高齢者の多くは高血圧症、高脂血症、糖尿病など何らかの生活習慣病に罹患しているか、その予備群でもあります。

その背景として、寿命の延長および若壮年期からの身体活動量の不足、穀類や食物繊維を多く含む食品の摂取不足をはじめ動物性食品の摂取の増加といった食習慣の変化などがあげられています。

また、高齢者には痩せや低アルブミン血症、低血色素性貧血など、低栄養状態も存在しています。

これは、味蕾の萎縮による味覚の低下や、唾液分泌の減少、歯の欠損、歯周病による咀疇能の低下などが食欲の 低下を引き起こすためと考えられています。

ADL(生活活動能力)が著しく低い高齢者では嚥下障害の場合もあります。
他にも、骨量、栄養代謝や耐糖能、基本的には予備力が大きいとされている消化・吸収機能でさえも、加齢に伴って少しずつ低下し、さまざまな疾病や病態の要因となっています。

高齢者の栄養摂取状況は、成人期までとは異なり健康状態に大きく左右されてしまいます。

長寿で知られている沖縄では肉や脂肪の摂取量が全国平均より上回ってはいますが、同時に低食塩で緑黄色野菜の摂取量も多いのです。

百歳老人における栄養調査では、米寿老人よりも栄養摂取が低下していましたが、ADLの良好な百歳老人はそれが不良な人たちに比べて栄養摂取状態が良好です。

また、百歳老人の栄養摂取の特徴としては、 低エネルギー、低塩食であり、野菜(緑黄色野菜)、海藻類、および動物性・タンパク質の摂取が多く、少量の飲酒をするなどが挙げられます。

さらに、長寿のための特別な食事はなく、家族と同じものを軟らかくして摂取しています。

高齢者では健康状態に個人差が大きいので、個別の対応が基本です。
健康な状態であれば世帯形態により高齢者の栄養状態の差は認められてはおりません。



有酸素運動【aerobics】

2011年08月23日 [記事URL]

有酸素運動は最大酸素摂取量を向上させることに適した運動としてあげられています。

この有酸素運動は、呼吸によって常に酸素を取り込みながら行う持続的な運動であり、多くの酸素を消費するためには、特に脚筋などの大筋群を使う全身運動が適しているといえます。

持久的運動としては、ウォーキングをはじめとして、ノルディックウォーキング、ジョギング、ランニング、サイクリング、クロスカントリースキー、エアロビクスダンス、アクアビクス、水泳、縄跳び、ラジオ体操などが挙げられます。

運動強度は対象によって異なりますが、比較的低強度のウォーキングでも呼吸循環系の改善を認めたとの報告もみられます。

よって、安全性を考慮して比較的余裕を持って行える運動強度が目安となります。



無酸素運勤【anaerobics】

2011年08月23日 [記事URL]

 無酸素運勤とは、有酸素系のエネルギー産生能力を超え、約90秒以上1度に行うことのできない身体活動です。

これを主に筋力を発達させるために必要な刺激の運動としてみた場合、一般的なガイドラインとしては、1セット当たり8〜12回の反復回数で、筋が疲労する時点まで適切な動きで行うとされています。

また、一般的には最大筋力の70〜80%の負荷重量で行うとしているが、高齢者に対しては安全面を考慮して各個人に対して適切な指導が必要となります。

低い負荷重量での多い反復回数は、初期のトレーニング開始期間の適切な動きなどを身につけるときに良いとされています。



ウォーキング【Walking】

2011年08月23日 [記事URL]

 ウォーキングとは、有酸素運動の1つであり、生活習慣病の予防・改善に役立つ運動の代表としてあげられています。

単なる移動手段としてではなく、運動としてウォーキングを行う場合は、良い歩き方を身につけることが必要となります。

また、健康増進や老化の予防といった観点からは、適度な強度で運動する必要があります。

すなわち、普段の歩行速度よりも少し速めに、大またに、背筋を伸ばし腕を大きく振って歩くこととなります。

しっかり歩くコツとしては、
① 膝を伸ばす。
② 踵から着地する。
③ 腕は大きく振る。
④ 大またで歩く。
⑤ 頭を上に引き上げられているイメージで首筋と背筋を伸ばす。
などが挙げられます。

加齢による生活機能の維持増進のためには、ウォーキングとともに筋力運動を組み合わせた運動が必要です。



高齢者の運動【exercise of elderly people】

2011年08月23日 [記事URL]

高齢期における身体機能は、
加齢に伴う活動量の減少の影響も加わり徐々に低下してしまいます。

しかし、
運動やトレーニングによって機能低下を抑制・遅延させることは可能です。

なので運動・トレーニング効果は、
高齢期においてもある程度は維持することができます。

呼吸機能の主要な指標である最大換気量は加齢に伴って減少します。

この原因としては、
形態的要因として加齢に伴う肺胞の表面積の減少および気管支の管壁の柔軟性の低下が挙げられ、
それとともに機能的要因として呼吸運動の効率も低下してしまいます。

呼吸循環系機能を評価する際の有酸素能力の指標として広く用いられているのが最大酸素摂取量です。

一般に男女とも最大酸素摂取量は20歳までに最大値を示した後、
20歳から75歳の間に10年間に5〜15%の 割合で低下します。

加齢に伴う最大酸素摂取量の低下率は、
日常的に運動を実施している人とそうでない人とでは差がないという報告もあれば、
運動を行っている人の方が低下率を抑制できるとの報告もあり、一致した見解が得られていません。

しかしながら、
運動を実施していない人の最大酸素摂取量が同年代の一般人と比較して、
低い値を示すことは明らかとされています。

筋力は20〜30歳代でピークを迎えた後、
加齢とともに徐々に低下し始め、
80歳代までにピーク時の約55〜65%にまで低下するとされています。

老化による筋力および筋断面積の低下を抑制するためには、
筋カトレーニングが有効です。

トレーニングの強度が十分に高ければ神経系の改善とともに大きな筋肥大がもたらされ、
それが筋力増加に大きく貢献すると考えられています。

また十分な運動強度と期間でトレーニングを行えば、
筋の酸化系酵素活性を有意に増加させることができます。

さらに若年者で観察されるようなⅡb型線維の減少とⅡa型線維の増加、
毛細血管密度の増加、
そして筋線維の肥大を高齢者の筋においても引き起こすことが可能であることが示されています。




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