トレーニング用語集 - 王道パーソナルトレーナー藤原豊樹

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トレーニング効果の持続

2012年08月10日 [記事URL]

 トレーニングによってもたらされる明らかな身体能力向上も、
トレーニングをしない活状態が続けば次第に失われてしまいます。

この消失する程度や時間は全て明らかにされていませんが、
再びトレーニングを開始しても元の適応した状態に戻るには、
トレーニングを中止した期間よりも長い期間が必要となります。

トレーニングの中止(ディ・トレーニング)によって体力が急速に低下していくため、
トレーニングによって得られた身体能力を維持するための方策も研究されてきています。

その1つの手法に、クロス・トレーニングと呼ばれるものがあります。
要は今までとは違った異なる運動様式を用いる方法です。

例えばランニングで鍛えた能力は、腕だけのトレーニングでは変化を及ぼさないとか、
または他の種目の水泳を行なっても、必ずしも呼吸循環器系や最大酸素摂取量に変化をもたらさない場合もあります。

やはり、トレーニングによって得られた能力を維持する方法としては、トレーニングした運動様式と同じか、あるいは類似した運動様式を用いたトレーニングを続けるしかありません。

しかしながらトレーニングによって得られた能力は、
トレーニングの強度・時間を変えなければ頻度を減らしても数週間は維持できると報告されています。

そうすると例えば長距離選手の場合、高めた能力を維持するためには頻度を減らして同じ運動様式のトレーニングを実施すれば良いと言えます。



マラソン完走に挑戦する初心者におすすめの「マラニック」とは。

2011年11月24日 [記事URL]

さぁ走ろうと思う気持ちは人それぞれです。

「週○○日走る!」「何十キロ走り込む!」と意気込んでも、
次第にトレーニングが単調で魅力がなくなり義務感にさらされて疲労感を抱かざるを得なくなってしまいます。

そんな状況に陥り、走る楽しさを見失った場合は、「マラニック」をおすすめします。

「マラニック」とは、「マラソン」と「ピクニック」を結びつけた走り方です。

遠足をするように、
そして歩き旅をするようにマイペースで走ったり、歩いたりするのです。

え?ランニングのトレーニングで歩くの???
と疑問を持たれるかも知れませんが、
簡単に言えばランニングとウォーキングを繰り返す運動方法です。

自分の走りたい速さで走り、疲れたら歩いて、行きたいところを目指します。

何キロ走り切らなければならない!
適度な心拍数で走らなければ効果がでない・・・。

などと思い込んでトレーニングしていると、
ついつい走る楽しさを忘れてしまうかも知れません。

運動に限らず何事も楽しい気持ちでやると辛いなんて気持ちにはならないと思います。

基本のトレーニングは大事ですが、
遊びやリフレッシュをするつもりで練習メニューに取り入れるのが良いと思います。


では実際の「マラニック」を行う方法をレベル別でお伝えします。


初心者は、
歩くことを中心に1〜2時間で始めてみましょう。
呼吸に余裕があるときは話せるペースで走ります。

ゆっくり時間をかけて動き続け、ランナーの足と心をつくっていきましょう。

もしフルマラソン完走を目指すなら、
マラニックでも2時間半ずっと動き続けられる脚力が必要です。


中級者は、
少しスタミナがありますので1〜2週間に一度くらいで、
走りと歩きが半分ずつの割合で3〜4時間のマラニックをしてみてはいかがでしょう。

もしトレーニングの疲れがあった日でも、
積極的な回復をうまく目標とすうことが大切です。


上級者は、
記録や大会にこだわりがちなところもありますが、
時には走る喜びを取り戻すためにマラニックをおすすめします。

走りを主体として30分走って、
5分歩くなどのペースで2時間以上行うことがすすめられます。

普段から運動に慣れていない方がもし一人で行う場合は、全く人気のないような場所は避けましょう。
何かあった時にすぐに助けを求められるようにしておきましょう。

ランニングは一人でも楽しめるスポーツです。
ゆっくり走り続けることも走る楽しさのひとつです。

またさらに自然や、風景を見たり触れたり、仲間でやるのも楽しいです。

マラニックは長い時間、長い距離にも挑戦できるので、
運動初心者や健康つくりをめざしている方にも最適です。



クロストレーニング【cross training】

2011年11月20日 [記事URL]

クロストレーニングという用語は1990年代初めから使われ始め、「専門とするスポーツの競技成績を向上させるために行う専門以外のスポーツや運動」と定義されています。

つまり筋力、筋持久力、全身持久力、柔軟性など多くの体力・運動能力を向上させることによって、専門とするスポーツのパフォーマンスの向上を狙ったトレーニングで、複合トレーニングと同義に捉えられることもあります。

また体力・運動能力の直接的な向上だけでなく、オーバーユースによる障害の発生を予防したり、受傷後のリハビリテーションとしての役割も果たします。

またクロストレーニングを取り入れることによって、専門種目のみのトレーニングを行うことによる心理的なマンネリ化やプラトー(定常状態)を打破し、高いモチベーションを維持することが可能です。



複合トレーニング【combined training】

2011年11月20日 [記事URL]

複合トレーニングとは、複数のスポーツ、エクササイズあるいはトレーニングを組み合わせて行うトレーニングで、コンバインド・トレーニングとも言います。

多くのスポーツにおいて、単一の体力要素のみが求められるわけではなく、技術、精神力も含めた様々な要素がパフォーマンスに対して影響を及ぼしており、それぞれのスポーツや個人間でも必要とされる割合は異なります。

したがって、その組み合わせは無限に存在し、現在、スポーツの現場で行われているトレーニングは、ほとんどの場合、複合トレーニングと捉えることができます。

単一のトレーニングばかりを繰り返し行うと、ほかの必要とされる能力の低下を招き、さらに身体機能の平衡を失うことにより傷害を引き起こす危険性も高まります。

一方、複数のトレーニングを組み合わせて行う複合トレーニングは、目的に応じてその組み合わせを工夫することによって、必要とされる体力要素が向上します。

そして、それにともなうパフォーマンスの向上を促進するとともにスポーツ傷害の予防に役立ちます。

球技系のスポーツ種目や、トライアスロン、陸上競技の混成競技などの複合種目などにおいては、筋力と持久力の両方を高めることが求められます。

したがって、筋力トレーニングと持久力トレーニングを組み合わせた複合トレーニングの効果についての検討されています。

その結果、複合による相乗効果はみられませんが、同程度の効果は期待できると報告されています。

他にもスプリントトレーニングと筋力トレーニング、ランニングと水泳、アイソメトリックスとアイトニックス(等張性筋収縮を用いて行う筋力トレーニング)といった組み合わせなどが考えられます。

これまで複合トレーニングの組み合わせによるトレーニング効果を検討した研究結果も報告され、有効性の高いことが示されています。

筋力、パワー、筋持久力、全身持久力など総合的な体力の向上を目的とするサーキットトレーニングも、システム化された複合トレーニングの代表的な例です。



バーンアウト【burnout syndrome】

2011年11月20日 [記事URL]

バーンアウトとは、長期にわたって目標達成に努力しても、それが十分に報いられなかったときに生ずる情緒的、身体的な消耗状態を示す言葉です。

近接概念であるオーバートレーニングや気抜け (stalcncss)があります。

バーンアウトは、精神科医フロイデンバーガー(H.Freudenberger)により初めて報告されて以来、主に看護師などの医療関係者、教師、福祉領域の対人援助専門職を中心にその症例が報告されてきました。

バーンアウトという用語は、モーターなどが焼き切れる状態を示す米語表現(burnout)であり、日本では訳語の「燃え尽き症候群」のほか、原語の発音に即して「バーナウト」と呼ばれることもあります。

「情緒的なエネルギーを使い果たして消耗する」ことは対人援助専門職に限らず、スポーツ選手にも当てはまる場合があります。



ローパワートレーニングとは

2011年11月20日 [記事URL]

ローパワーとは、3分以上にわたって継続される運動において要求されるパワーです。

長時間にわたって運動を継続する場合には、ある一定のパワーを持続する能力が要求されます。

つまり、ローパワートレーニングとは、ある一定のパワーを長時間にわたって持続する能力を養うことを目的とするトレーニングのことです。

5分を超えるような運動では、ほとんどのエネルギーが有酸素性エネルギー供給機構からであり、その持続能力には筋への血流量および酸素の量が影響を及ぼしています。

特に最大酸素摂取量は5~15分程度で疲労困憊に至るような1500m走、5000走、800m泳、1500m泳などの選手には重要な体力因子です。

したがって、ローパワートレーニングでは乳酸の蓄積が起こらない負荷を用いて、多くの血流量または酸素の供給量が見込まれる状態で長時間運動を継続することが有効です。

またローパワートレーニングにおいては、最大酸素摂取量を向上させることが鍵となります。
中でも、酸素運搬に関与している心血管系の能力が特に大きく反映するといわれています。

最大酸素摂取量を向上させるためには、心拍数が最大あるいは最大に近いレベルで運動することが重要となります。

肺や骨格筋に毛細血管を発達させるには、比較的長時間のトレーニング刺激を与えなければなりません。

そこで長時間にわたる持久走や、最大運動レベルで何度も反復するようなインターバルトレーニングが有効となります。

さらに15分以上持続されるようなローパワー運動では、乳酸性作業閾値(LT)、あるいはOBLA(Onset of Blood Lactate Accumulation)と呼ばれる指標が競技に大きく影響します。

これらはどちらも血液中の乳酸濃度が急激に増加し始める運動強度のことです。
これらが高いということは、乳酸を除去する能力に優れ、運動を持続する能力が高いということを意味します。

もし最大酸素摂取量が全く同じアスリートがいた場合、乳酸性作業閾値が高いアスリートの方が疲労物質の乳酸を溜めずに優れた結果を出す可能性が高いということになります。

血中に出てきた乳酸は、骨格筋や心臓で酸化されたり、肝臓でまた糖に戻されたりしながら除去されます。

したがって、これらの組織に乳酸を運ぶための血管、血液量を増やすことができれば、乳酸性作業閾値を高めることができます。

そのためには、ある程度長い時間をかけて持続的に運動することが有効であり、強度はおよそ乳酸性作業閾値に相当する強度か、あるいはそれよりやや高い強度が効果的なトレーニング方法として推奨されます。



ミドルパワートレーニング【middle power training】

2011年11月20日 [記事URL]

ミドルパワーとは、30秒〜3分間にわたって継続できる運動において要求されるパワーです。

陸上競技の400m、800m、水泳競技では100m、200mなどがこれにあたります。

ミドルパワー発揮能力には、単に高いピーク値を発揮することよりも、パワーを持続することが要求されます。

つまり、ミドルパワートレーニングとは、30秒から3分間にわたって継続される運動においてパワーの持続力を養成するトレーニングのことです。

ミドルパワー発揮におけるエネルギーの供給機構には、ATP-PCr系、乳酸性が最大限に動員され、さらに有酸素系も関与します。
その割合は運動継続時間によって異なります。

約30秒から1分30秒までの運動ではATP-PCr系および乳酸系によるエネルギー供給の割合が高く、1分30秒から3分までの運動では乳酸系および有酸素系によるエネルギー供給の割合が高いとされます。

つまり、ミドルパワーの運動成績は、その人の無酸素性エネルギー供給能力で決まるといっても過言ではないでしょう。

したがって、ミドルパワートレーニングでは、酸素の供給が不十分な状態で運動を行うことが要求されます。

具体的な方法として、乳酸が最大に作られるような2~3分で疲労困憊に至る運動(陸上では800~1000m走、競泳では200m泳など)を用いて、レペティショントレーニングを行ったり、高強度短時間運動を不完全回復の状態を挟みながら繰り返すインターバルトレーニングなどが効果的です。

このようなトレーニングでは、筋の緩衝能力(乳酸の蓄積に伴って筋肉のpHが低下することを防ぐ作用)が向上するので、筋疲労を遅延させることができるようになります。

また、無酸素性エネルギー供給量は活動筋量と関係が深いので、このような種目においても主働筋群の筋量を増大させるウエイトトレーニングが有効となります。

さらにミドルパワーの運動では、有酸素性エネルギー供給系の貢献度も少なくありません。

1分の運動では50%が、3分の運動では70%ものエネルギーが有酸素性に供給されますので、最大酸素摂取量を高めるような有酸素性トレーニング、つまり呼吸循環器機能が最大限に動員されるようなトレーニングも忘れてはなりません。



ハイパワートレーニング【high power training】

2011年11月20日 [記事URL]

ハイパワーとは短時間(瞬時)で大きな力を発揮する能力であり、全力運動時における筋が発揮したパワーです。

つまり、ハイパワートレーニングとは、短時間で可能な限り大きな力を発揮する能力及びそれを持続する能力を養成することを目的としたトレーニングのことです。

ハイパワーが要求される運動は、その持続時間にして約30秒まで。
スポーツ種目では、投てき種目、跳躍種目、あるいは100m走などです。

数秒から30秒以内で終了するような運動の中でも、とくに10秒以内で終了するような高強度運動では、非乳酸性機構(ATP―PCr系)、乳酸系のどちらからも最大速度でエネルギーが供給されています。

ハイパワーを高めるためには、完全回復をしながら短時間に最大力を発揮する運動を繰り返すレペティショントレーニングが有効です。

具体的には、10~60秒程度の最大努力運動を何度も反復したり、できる限り素早い動作で筋を収縮させるなどのトレーニングが有効となります。

また、その持続力を高めるためには、不完全回復の状態で、短時間に最大力を発揮するインターバルトレーニングが有効です。

さらに、ATP-PCr系、乳酸系からのエネルギー供給量は、エネルギー基質やATP、あるいはクレアチンリン酸を貯蔵しておく筋の大きさと密接に関係していますから、主働筋群を大きくするウエイトトレーニングも大切です。



パワートレーニング【Power training】

2011年11月20日 [記事URL]

パワートレーニングとは、ある決められた時間に可能な限り大きな力を発揮する能力を養成することを目的としたトレーニングのことです。

パワーは仕事率とも呼ばれ、単位時間当たりに筋が生産する力学的エネルギーの大きさを示しています。
パワーは力と速度の積、またはトルクと角速度の積 て表され、その単位はワットです。

筋が発揮するパワーは、運動の継続時間から「ハイパワー」・「ミドルパワー」・「ローパワー」の3つに大別されています。

それぞれにおけるエネルギー供給機構が「ATP-PCr系」・「乳酸系」・「有酸素系」と異なることから、それぞれのパワーの最大値および持続力の向上を目指したトレーニング方法も大きく異なります。

パワーの発揮能力には、動きにも影響を及ぼしています。
野球の投球やテニスのサーブでは手部、サッカーのキックでは足部など身体の遠位において大きな速度が要求されることがあります。

このような運動では四肢の近位をまず動かして力を発揮し、これをタイミングよく順次加算することによって、遠位の速度を大きくすることが可能になります。

このような現象を、身体の部分を連続した鎖にたとえて運動連鎖と呼ばれています。
このようにパワーの向上を目指す際には、動きのトレーニングを行う必要もあるのです。



運動における先天的・後天的要因とは

2011年11月20日 [記事URL]

運動能力やスポーツパフォーマンスの良否に影響する要因は、先天的なものと後天的なものに大別されます。

先天的要因(inherent factors)は主に遺伝的・生得的要因(素質)など、後天的要因(learned factors)は環境的要因(社会的、経済的、文化的などの条件)などです。

身長の高さや筋肉の質(速筋線維や遅筋線維の割合など)は前者であり、恵まれたトレーニング環境、適切なトレーニングの実施、トレーニングヘの動機づけなどは後者にあたります。

例えば、優れたスプリンターになるための条件として、速筋線維の比率が高いことは非常に有利ですが、それだけでは不十分です。

適切な指導を受けながら、効果的なトレーニングを行い、競技に対する向上心を持続させる条件が整わなければ、優れた成績を上げることは難しいと言えます。




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