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2011年11月20日
ローパワーとは、3分以上にわたって継続される運動において要求されるパワーです。
長時間にわたって運動を継続する場合には、ある一定のパワーを持続する能力が要求されます。
つまり、ローパワートレーニングとは、ある一定のパワーを長時間にわたって持続する能力を養うことを目的とするトレーニングのことです。
5分を超えるような運動では、ほとんどのエネルギーが有酸素性エネルギー供給機構からであり、その持続能力には筋への血流量および酸素の量が影響を及ぼしています。
特に最大酸素摂取量は5~15分程度で疲労困憊に至るような1500m走、5000走、800m泳、1500m泳などの選手には重要な体力因子です。
したがって、ローパワートレーニングでは乳酸の蓄積が起こらない負荷を用いて、多くの血流量または酸素の供給量が見込まれる状態で長時間運動を継続することが有効です。
またローパワートレーニングにおいては、最大酸素摂取量を向上させることが鍵となります。
中でも、酸素運搬に関与している心血管系の能力が特に大きく反映するといわれています。
最大酸素摂取量を向上させるためには、心拍数が最大あるいは最大に近いレベルで運動することが重要となります。
肺や骨格筋に毛細血管を発達させるには、比較的長時間のトレーニング刺激を与えなければなりません。
そこで長時間にわたる持久走や、最大運動レベルで何度も反復するようなインターバルトレーニングが有効となります。
さらに15分以上持続されるようなローパワー運動では、乳酸性作業閾値(LT)、あるいはOBLA(Onset of Blood Lactate Accumulation)と呼ばれる指標が競技に大きく影響します。
これらはどちらも血液中の乳酸濃度が急激に増加し始める運動強度のことです。
これらが高いということは、乳酸を除去する能力に優れ、運動を持続する能力が高いということを意味します。
もし最大酸素摂取量が全く同じアスリートがいた場合、乳酸性作業閾値が高いアスリートの方が疲労物質の乳酸を溜めずに優れた結果を出す可能性が高いということになります。
血中に出てきた乳酸は、骨格筋や心臓で酸化されたり、肝臓でまた糖に戻されたりしながら除去されます。
したがって、これらの組織に乳酸を運ぶための血管、血液量を増やすことができれば、乳酸性作業閾値を高めることができます。
そのためには、ある程度長い時間をかけて持続的に運動することが有効であり、強度はおよそ乳酸性作業閾値に相当する強度か、あるいはそれよりやや高い強度が効果的なトレーニング方法として推奨されます。
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