カ行 - 王道パーソナルトレーナー藤原豊樹

HOME > トレーニング用語集 > カ行

筋力とは【muscle strength】

2011年08月23日 [記事URL]

筋力とは、骨格筋の内部で筋線維が収縮した結果、張力が発揮され、個々の筋線維張力が合計されて腱を牽引する腱張力となり、これが骨に伝えられて関節の回転力(トルク)となります。

つまり筋力とは、これら筋線維張力、腱張力、関節トルクの総称です。

筋線維、腱、関節の間には種々の筋形状因子が関与し、筋線維張力はさまざまに修飾された結果、関節に伝えられています。

したがって、筋力が何を指しているのかを明確にした上でこの言葉を用いる必要があります。

物をしっかり掴む、固く閉じているフタを開けるなどの動作には上肢(手掌)の筋力が必要であり、歩く、椅子から立ち上がるなどの身体の移動には下肢の筋力が重要となります。

筋力は身体の力強さや姿勢保持などに関連し、特に高齢者における筋力の低下は、日常生活の諸動作に支障をきたしてしまいます。

筋力の測定項目として、握力(前腕静的筋力)や膝関節伸展筋力(下肢静的筋力)などがあげられます。

高齢者が自立した生活を営むための推奨下限値は、握力で男性20kg、女性15kg、膝関節伸展筋力では男性30kg、女性20kg以上が必要だと考えられています。

筋力を維持するためには、階段昇り、自重を負荷にしたスクワット(膝の曲げ伸ばし・空気イスすわり)や膝立て姿勢での腕立て伏臥腕屈伸、斜め懸垂などが有効です。



高齢者の筋持久力【muscle endurance】

2011年08月23日 [記事URL]

 筋持久力とは、筋がどのくらい長く作業を続けることができるかという能力であり、動的および静的筋持久力の2種類に分けられています。

動的筋持久力は一定の負荷を繰り返し持ち上げる、押す、引っ張るなどの動きが伴い、静的筋持久力は筋肉や関節の動きを固定した上でのある動作の持続時間です。

高齢者にとっても買い物袋の持ち運びや、起立中の身体支持などの能力は、日常生活と関わりが深いです。

動的筋持久力の測定項目として、上体起こし(腹部筋持久力)や連続腕屈伸(上腕筋持久力)などが、静的筋持久力の測定項目としては膝関節屈曲筋持久力(下肢静的筋持久力)などがあげられます。

高齢者が自立した生活を営むための筋持久力の推奨下限値は、
上体起こしが男性5回・女性3回、
連続上腕屈伸は男性15回・女性12回、
膝関節屈曲では男性10秒・女性8秒以上は必要だと考えられています。



高齢者の体力【physical fitness for elderly people】

2011年08月23日 [記事URL]

体力は、ヒトの身体活動や生命活動の基礎となる身体的能力です。
特に高齢者にとっての体力は、健康長寿を全うするために重要であると言えるでしょう。

筋力や柔軟性、持久性体力などの体力要素は、歩行や階段昇降、衣服の着脱など日常生活に関わる諸動作を支えています。

体力は大きく「健康関連体力」と「技能関連体力」の2つに分類することができます。

前者は、種々の慢性疾患や健康障害に関連する体力であり、全身持久性、筋力、柔軟性、身体組成といった要素が含まれます。
後者は、平衡性、協調性、スピード、パワー、反応力といった技能から構成されます。

中年者では「健康関連体力」の改善がより強く望まれますが、高齢者では、日常生活動作の円滑な遂行のために協調性を含む「技能関連体力」の維持・向上にも取り組む必要があるとされます。

加齢とともに低下するのが体力ですが、体力要素別に概観すると低下度に違いがみられます。

20歳の日本人男性を100とした場合、静的平衡性(閉眼片足立ち)は60歳で30%以下、脚筋力は50%以下となります。

腕立て伏せ、立位体前屈、垂直跳びの能力、および最大酸素摂取量も60歳で約50%まで低減します。

高齢者の体力の特徴として、個人差も大きいことがあげられます。
その理由としては、高齢期には加齢現象や生活習慣の違いによる個人差が拡大するからです。

近年、高齢者の体力改善について着目されるようになりましたが、個人差の大きい高齢者の体力を把握し評価することは困難です。

その理由として、他の年代に比べ精神的・社会的側面から影響を受けやすい高齢者は、その日の体調によって測定値が大きく左右されるためです。

しかし、体力を測定し評価することは、高齢者がこれまでの生活習慣を見直すために重要です。

日常生活動作に関連の大きい体力測定項目を選定し、日常生活に必要な体力に加えて積極的な余暇活動を楽しめる体力を把握し、適正に評価することが望まれています。



高齢者の栄養【nutrition for elderly people】

2011年08月23日 [記事URL]

高齢者の多くは高血圧症、高脂血症、糖尿病など何らかの生活習慣病に罹患しているか、その予備群でもあります。

その背景として、寿命の延長および若壮年期からの身体活動量の不足、穀類や食物繊維を多く含む食品の摂取不足をはじめ動物性食品の摂取の増加といった食習慣の変化などがあげられています。

また、高齢者には痩せや低アルブミン血症、低血色素性貧血など、低栄養状態も存在しています。

これは、味蕾の萎縮による味覚の低下や、唾液分泌の減少、歯の欠損、歯周病による咀疇能の低下などが食欲の 低下を引き起こすためと考えられています。

ADL(生活活動能力)が著しく低い高齢者では嚥下障害の場合もあります。
他にも、骨量、栄養代謝や耐糖能、基本的には予備力が大きいとされている消化・吸収機能でさえも、加齢に伴って少しずつ低下し、さまざまな疾病や病態の要因となっています。

高齢者の栄養摂取状況は、成人期までとは異なり健康状態に大きく左右されてしまいます。

長寿で知られている沖縄では肉や脂肪の摂取量が全国平均より上回ってはいますが、同時に低食塩で緑黄色野菜の摂取量も多いのです。

百歳老人における栄養調査では、米寿老人よりも栄養摂取が低下していましたが、ADLの良好な百歳老人はそれが不良な人たちに比べて栄養摂取状態が良好です。

また、百歳老人の栄養摂取の特徴としては、 低エネルギー、低塩食であり、野菜(緑黄色野菜)、海藻類、および動物性・タンパク質の摂取が多く、少量の飲酒をするなどが挙げられます。

さらに、長寿のための特別な食事はなく、家族と同じものを軟らかくして摂取しています。

高齢者では健康状態に個人差が大きいので、個別の対応が基本です。
健康な状態であれば世帯形態により高齢者の栄養状態の差は認められてはおりません。



高齢者の運動【exercise of elderly people】

2011年08月23日 [記事URL]

高齢期における身体機能は、
加齢に伴う活動量の減少の影響も加わり徐々に低下してしまいます。

しかし、
運動やトレーニングによって機能低下を抑制・遅延させることは可能です。

なので運動・トレーニング効果は、
高齢期においてもある程度は維持することができます。

呼吸機能の主要な指標である最大換気量は加齢に伴って減少します。

この原因としては、
形態的要因として加齢に伴う肺胞の表面積の減少および気管支の管壁の柔軟性の低下が挙げられ、
それとともに機能的要因として呼吸運動の効率も低下してしまいます。

呼吸循環系機能を評価する際の有酸素能力の指標として広く用いられているのが最大酸素摂取量です。

一般に男女とも最大酸素摂取量は20歳までに最大値を示した後、
20歳から75歳の間に10年間に5〜15%の 割合で低下します。

加齢に伴う最大酸素摂取量の低下率は、
日常的に運動を実施している人とそうでない人とでは差がないという報告もあれば、
運動を行っている人の方が低下率を抑制できるとの報告もあり、一致した見解が得られていません。

しかしながら、
運動を実施していない人の最大酸素摂取量が同年代の一般人と比較して、
低い値を示すことは明らかとされています。

筋力は20〜30歳代でピークを迎えた後、
加齢とともに徐々に低下し始め、
80歳代までにピーク時の約55〜65%にまで低下するとされています。

老化による筋力および筋断面積の低下を抑制するためには、
筋カトレーニングが有効です。

トレーニングの強度が十分に高ければ神経系の改善とともに大きな筋肥大がもたらされ、
それが筋力増加に大きく貢献すると考えられています。

また十分な運動強度と期間でトレーニングを行えば、
筋の酸化系酵素活性を有意に増加させることができます。

さらに若年者で観察されるようなⅡb型線維の減少とⅡa型線維の増加、
毛細血管密度の増加、
そして筋線維の肥大を高齢者の筋においても引き起こすことが可能であることが示されています。



高地トレーニング【altitude training】

2011年08月23日 [記事URL]

 高地トレーニングとは標高が高く気圧の低い環境、すなわち低圧低酸素環境下に一定期間居住することによる高地順化と、高地でのトレーニングによる積極的な効果との合成効果によって酸素運搬能力を高め、平地でのトレーニング以上に競技力を高めようとするトレーニング方法です。

オリンピックのメダリスト間のパフォーマンスはたった0.5%、されど0.5%です。
選手は高地トレーニングによってこの差を埋められることを信じて取り組んでいます。

1968年に標高2,300mで開催されたメキシコオリンピックの陸上競技種目で短距離や跳躍種目おいては世界記録が更新されたものの、中・長距離では更新されませんでした。

しかも世界記録保持者が1、2分のタイムを失い、さらにケニアやエチオピアなどの標高の高い国に住む選手がメダルや上位を獲得しました。

そのため、高地で生活・トレーニングすることが持久系の種目に有利になることが明らかにされたことから多くの選手や指導者の興味に端を発し、さらに日本では1961年から高地トレーニングの基礎的研究が行われてきました。

今日では陸上競技(長距離走・マラソン)、競泳、スキーノルディック複合、スピードスケートなどで高地トレーニングが行われ、成果を上げていています。

高地トレーニングを行う標高は、世界的には2300m前後が良いとされていますが、日本ではジュニア選手(20歳未満)や初心者は標高1000〜1500m、一般的な高地トレーニングの標高は1800〜2300mが適切とも考えられています。

また標高1500〜1600mでは強度の高いトレーニング(スピード練習など)が可能です。
標高2500m以上での滞在は、体調を崩しやすいという理由でお勧めできませんが、短期間であれば2300〜2400mでも有効と言われています。

トレーニング期間は3〜4週間が望ましく、順応期間(3〜7日間)、鍛錬期間(10〜14日間)、調整期間(3〜7日間)に分けてトレーニングを行うことが得策であるとされます。

高地トレーニングによる生理的な効果は、低酸素刺激によってもたらされるEPO(エリスロポイチン)の上昇とそれに伴う赤血球数やヘモグロビン濃度の上昇、2,3-DPG(2,3-ジフォスフォグリセリン酸)の上昇とそれに伴う酸素解離曲線の右傾化、毛細血管網の発達、ミトコンドリアの増加および酸化系酵素活性の上昇などが挙げられています。

その結果、有気的作業能力の向上と乳酸生成の抑制および筋の酸化的代謝と緩衝能の克進がもたらされると考えられています。

最近では無酸素パワーヘの効果も認められ、パワー系や無酸素系の競技種目においても取り入れられるようになってきています。

しかしながら、高地に滞在し、高地でトレーニングする方法は、トレーニングの質やコンディション作りなどの様々な面から問題点が指摘されています。

レビン(Levine)らは1991年に高地滞在に伴う順化効果を得ながら、トレーニング強度の低下を補いリスクを除いた高地トレーニング法として、高所に滞在してトレーニングをより高度の低いところで行うリビングハイ−トレーニングロー法(Living high-training low)法を提唱し、世界的に広く普及しています。



コンパウンドセット【compound set】

2011年08月23日 [記事URL]

 複数の種目を組み合わせたものを1セットとし、種目間は休息を取らずに行うトレーニング方法です。

マルチセット法とも呼ばれ、2種目を組み合わせたものをスーパーセット法、2種目を組み合わせたものをトライセット法、4種目を組み合わせたものをジャイアントセット法と呼ばれています。

通常のセット法と同じ時間で、数倍の重量を挙上することになるため、筋に対する負荷が非常に大きくなります。

トレーニング初級者が行うとオーバーワークを引き起こす危険性があるため、十分にトレーニング経験を積んだ上級者が、より高い負荷を身体へ加える時に利用することが望ましいとされます。

各種目における強度を低下させないために、同じ筋群に刺激を与える種目を連続させないで行うことが原則ですが、筋肥大を目的とする場合は、あえて連続して、より高い生理的・代謝的負荷を加えることもあります。



筋線維組成【muscle fiber composition】

2011年08月23日 [記事URL]

 骨格筋を構成する筋線維は、その特性により数種類のタイプに分類されています。
ヒトの骨格筋における分類は、myosin ATPase染色を用いた収縮特性による分類が適用されます。

この分類によると、ヒトの骨格筋線維は、収縮速度が低いが酸化酵素活性および毛細血管密度が高く疲労しにくいⅠ型線維(slow-twitch fiber:遅筋線維)と、解糖酵素活性が高く収縮速度が高いが、酸化酵素活性は低く疲労しやすいⅡ型線維(fast-twitch fiber:速筋線維)に大別されています。

また、一般的には遅筋線維を赤筋、速筋線維を白筋とも呼ばれています。

さらに、H型線維にはⅡa型線維およびⅡb型線維というサブタイプが存在し、Ⅱa型線維の解糖系および酸化系の酵素活性はⅠ型線維とⅡb型線維の中間を示します。

この比率により、その筋全体における機能的特性が決定され、H型線維割合が大きいものほど、 単位断面積あたりの筋力が高く、Ⅰ型線維割合が大きいものほど、持久力に優れた筋となります。



加圧トレーニング【training with restriction of muscle blood flow】

2011年08月23日 [記事URL]

 バンドなどの器具によって外的に血液循環を制限(減少)させた状態で行うトレーニング方法です。

筋が強い張力を発揮しながら短縮すると筋内圧の上昇が生じ、筋中の血管を流れる血流が減少します(虚血)。

このような収縮状態が持続すると、筋内は低酸素状態となり、乳酸やアデノシンなどの血管拡張作用を持つ代謝産物が蓄積します。

ここで運動を終了すると拡張した血管に多量の血液が流入し(再灌流)、一時的に血流が増大して筋中は高酸素状態となります。

このような筋における酸素環境の変化は、筋肥大を促進するシグナルになると考えられています。

加圧トレーニングは外的な血流制限により低酸素状態を引き起こし、効率よく筋肥大を生じさせるトレーニング方法と考えられています。



クライアント【client】

2011年08月23日 [記事URL]

 悩みや問題を抱えて来談するクライアントは、その人らしい自然な成長の流れが抑えられたり、止められたりしている状態にいると考えることができます。

そのため、その自然な流れを取り戻すクライアントの力(自己治癒力)を信頼し、クライアントに合ったペースでカウンセリングを進めることが必要です。

また問題の解決のためにはクライアントにとって相応の苦しみが伴うことを認識しておく必要があります。

クライアントの抱える問題には、競技者の場合、競技力向上に関わる問題(メンタルトレーニングの指導など)、競技遂行上の問題(例えば、あがり、スランプ、実力発揮できないなど)、神経症や心身症、身体的問題(食行動の問題、怪我など)、あるいは全人格的心理的成熟や引退の問題など、さまざまなものがあります。

その問題は動きのアンバランスさ、あるいは怪我、ヒステリー、心身症など身体で表現されることが多くなります。

そのとき、身体に関わることであっても、こころの表現として理解していくことが必要です。




《 前 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10 


お問い合わせ

PageTop